フジゴセイキは東京工科大学が実施するコーオプ教育(Cooperative Education)を推進する企業となりました。今回の記事は主にコーオプ教育への参加表明を検討している企業向けに書きましたので、数多く参加している企業の例としてご覧頂けたら幸いです。
コーオプ教育とは?
就業体験プログラムの一つ。COOP教育とも表記される。
学生の企業における就業体験プログラムとして、日本国内においてはインターンシップが広く知られている。コーオプ教育もインターンシップと同じ就業体験プログラムの一つであるが、インターンシップが企業側主体のプログラムであるのに対し、コーオプ教育は大学側主体のプログラムであるという点が異なる。
出典:ウィキペディア→URL
事の発端は2017年7月頃に郵送されてきた封筒でした。当社には馴染みの無い東京工科大学の封筒で、中身を見ると学生の受け入れ希望とコーオプ実習についての説明資料が入っていました。
産学連携の事例を見る側でしか無かった当社では大学との繋がりが持てそうだという動機のみで、この時は推進企業への名乗りをしていました。
名乗りを挙げてから早々に、学生派遣を取り仕切っている株式会社ナジック・アイ・サポートの担当者から連絡が入り、2017年8月初めに詳細な説明をしに来社してもらいました。当社では派遣社員などを受け入れた事が無く、派遣については素人で且つ就業するのが社会人では無い学生という事もあり、かなり不安材料があったのですがナジックさんの説明である程度解消した事で、本格的に受け入れへの準備を開始しました。
受け入れを表明した事で、今度は大学側の調査でナジックさんと東京工科大学の教授が2017年8月終わりに来社し、当社の業務内容や就業状態などを確認しに来ました。実は郵送で依頼をする段階である程度の選考は行っていて、封筒が届いた段階でブラック企業などは除外していると聞き、会社見学に近いものだと教授も気さくに話してくれて終始和やかムードでした。
ぶち当たった壁は実習プログラムの作成でした。
受け入れる学生へのアピールと2ヶ月間の就業時に行う業務内容を記述します。派遣経験の無い当社では、働く期間が限定的な人員の業務は想定していなかったので、何をやって貰うべきかが非常に悩みました。最終的には記述したプログラムに厳密性や強制力は無いという言葉と、企業での体験全てが学びになるという言葉を貰い、当社なりのプログラムを完成させて2017年10月に提出を行いました。
その後スグに、大学側から受け入れ確認書というのが送付されてきて、実際に受け入れが可能な時期(予め用意された2期を選ぶ)と受け入れ可能な人数と希望する学科などを記入し2017/10/31までに提出を行います。
ここからは改良すべき点だとは思うのですが、受け入れ「られる」と表明した後、企業側へは後述する「参加申込書」以外に受け入れについての連絡が来ません。当社の場合も表明はしたものの、本当に来るのかどうかが不明のまま2ヶ月が経過します。社内でも「いつ来るの?」「本当に来るの?」と疑問の声が挙がっていましたが、私も初めての事で「今が企業の集計段階なのか、学生の選考段階なのか、通知連絡段階なのか」など全く分からず、非常に不満に思っていた時期でした。
そんな不満の中、年の瀬の2017/12/26にまた1通の封筒が届きました。中身は「コーオプ実習顔合わせ・情報交換会」の参加申込書でした。一緒に添付されていた書面を読んでみて、「多分」学生が来る事が決まった「ようだ」という思いに至りました。
「ようだ」と思ったのは、添付された書面で受け入れの「お願い」と書かれている事と、参加申込書に不参加を選択した場合には受け入れを拒否したものとする等の記述等が無かった事で、どうも企業目線とは若干ズレた運営なのかなと感じました。企業間では決定した内容を他の意味合いに取れるような表現はご法度ですし、こちらから提出した内容と同じものしか書かれていない返答書類は、受け取った企業の検討内容が読み取れず疑問符がつくかと思います。
受け入れる学生名が書かれていれば誰の目にも明らかに「受け入れる学生が決定した」と認識できますが、個人情報等の兼ね合いで難しいのであれば、せめて学科名くらいは書いて貰えれば「ほぼ決定した」と認識できたと思いました。
そんな不満もあったのと、この参加申込書以外に「決定通知書」が来るのかも?と思って回答期限の2018/1/26まで待ってみようと考えました。結局何も決定に関わるようなお知らせは来なかったので、期限前日の2018/1/25に参加表明を送付しました。
上記の内容だけで「ケチ」を付けていると心が狭いと言われてしまいそうですが、この他に散々悩んだ実習プログラムが大学内に展開されていない事実が判明し、そこに至るまでの経緯で無駄な問答(こちら側の瑕疵が100%無い状態)が何度も続いた事も有り、当社の場合のコーオプ実習はマイナスイメージからスタートしました。
不満が積み重なっていた準備期間ですが、何事も経験としてこらえて(ここで吐露してますが・・)コーオプ実習生との顔合わせに臨みます。2018/2/9に東京工科大学へ伺うと、既に受け入れを実施した企業の方からの感想やメリット・デメリットの報告の後、同じく2ヶ月の実習を終えた学生2名の報告がありました。
やはり既に受け入れた企業の言葉は気になりますが、大学内であり教授等も目の前にしてか感想は当たり障りの無い程度で、メリットは今後の採用面で、受け入れた学生が入社してくれる事を望むことや東京工科大学の学生達への企業アピールといったところでした。デメリットは結構ズバリと言い切った感がありましたが、人件費が高いとの事でした。単純なワーカーとしてなら学生派遣では無くもっと賃金の安い派遣を使えば良いという事で、将来への投資的な要素が高いとも仰っていました。
その後大学からの派遣中の勤怠評価説明と、その入力方法などの事務的な説明がありました。その中でかなりショッキングな内容だったのが、「学生への単位評価のウェイトが大きい」という事実です。
派遣中は一切登校しないので、派遣されている側がその評価を担うというのは当然と言えば当然なのですが、ある意味その学生の将来の選択肢を操作する事にも加わる事だと認識したので、かなり衝撃を受けました。
軽くショックを引きずりながら、促されるままに学生の面談場所であるロビー?へ案内され、指定された番号の席について学生を待ちます。程なくして当社での受け入れ第1号である応用化学科のS君と顔合わせをしました。
学生と話せる持ち時間は1時間で、切り上げも可能との事でしたが結局は終了のアナウンスが入るまで、S君とはずっと喋っていました。お互いが緊張している事もあったので、この学校に入学した経緯や好きな事や、どういった授業などを受けているのか等聞いた後に、当社での業務内容や、前述した実習プログラムが私の作成したものでは無いものを持っていたので、こちらで作成したプログラムをもとに業務内容などを決めていきました。(ちなみにこの記事のアイキャッチはS君が普段している研究を想像したものです。多分こんな感じではナイと思うけど)
あっという間に過ぎてしまった感が強い顔合わせでしたが、その後は企業同士の情報交換会が催されるとの事で同じく促されるままに食堂のような場所へ行き、これまた配置が決まっているテーブルで開始の案内を待ちます。
私よりも大分年配な方が多い印象。おそらく皆さん社長だったり人事部長だったりと職位の高い人がお見えになっているものと思います。初めてだからなのか、私が未熟だからなのか、この情報交換会にメリットがあまり見いだせず、なんだか手持ち無沙汰に過ごしてました。
結局、同じテーブルにいた企業の2人と時間中ずっと話してしまっていました。こちらの企業の方は既に1度受け入れを実施済みだったので、実際のところどんな感じか聞いてみたらやはり人件費としては割高だし、大学生の評価に加担する事は負担だという事と、なるべく良い部分を評価内容に書いてあげているという事も仰ってました。
よくよく観察していると、熱心な企業の方は次々と大学の教授と名刺交換とか話しかけたりしていたので、この時間は大学側との繋がりを強化する時間に良いのだと思いました。初期はその思いしか無くこのコーオプ実習を開始していましたが、他の企業の方の話を聞いたり、プログラムの作成や大学生との面談を経ると、メインは大学生の人財で大学との繋がりはサブに回るのかなと考えが改まりました。
長々と書きましたが、まずはS君の受け入れを楽しむのと有意義なものにするために、どのように学生へアプローチしていけば良いかなどを考えて、次回以降に活かしていきたいと思います。
最後まで読んで頂いて有難うございました。コーオプ実習について体験したり、学んだ範囲でよければ検討している企業のお問い合せなどにもお答えしますので、お気軽にWebフォームからご連絡ください。
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