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世耕プラン(型管理の適正化)の説明会+質疑応答内容 in東京会場

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管理人Yです。

本日はタイトルにある通り今年2017/7/24に公表された、「未来志向型・型管理の適正化に向けたアクションプラン」の説明会が開かれると聞いて東京まで行って来ました。

アクションプランとは?

経済の好循環を実現するためには、下請等中小企業の取引条件を改善していくことが重要です。このため、経済産業省・中小企業庁では、自動車・素形材業界における公正な取引環境の実現に向けて、平成29年1月から、「型管理(保管・廃棄等)における未来志向型の取引慣行に関する研究会」(座長:神奈川大学法学部 細田孝一教授)を開催し、「未来志向型・型管理の適正化に向けたアクションプラン」を取りまとめました。

経済産業省のお知らせから抜粋→URL

ちなみにこのプランについて主導者である世耕経産大臣へインタビューした記事が日刊工業新聞でありました。2016/11月時点の話のようですが、内容としてはかなりまとまっているなぁと感じましたので、経産省のPDFと併せて読むと理解が深まるのでは無いかと感じました。

説明会の場所は、東京タワーのすぐ目の前の機械振興会館です。東京メトロ日比谷線の神谷町駅から徒歩7分程でした。余談ですがこの場所ではフジゴセイキのISO事務局がISOの2015年版への移行対応セミナーも行った場所らしいです。セミナーでは良く使われるのですかね?

東京タワー

会場の定員は120名って書いてあって今回満席になってたらしいけど、座席が足りなくて最後部列の壁際にパイプ椅子が並んでました。多分150人位来てたんじゃないかな?かなり皆さん興味津津ですよね。

そんな大盛況だった説明会だけど、内容としては公開されてる内容を読み上げただけに近いので、あまり参考にはなりませんでしたが、40分位したら質疑応答に入りました。

何名かの方が挙手して様々な質問が出てましたが、概ね当社のような下請け業者の「受注者側」の意見が多かったように思います。たぶん「発注者側」が居なかったか少なかったんじゃないかな?

 

 

質疑応答

Q、期限は設定されているようだが自動車メーカーなどがいつ頃から管理しだすのか?

A、(経産省・製造産業局・自動車課・オオタ氏回答)今まで型廃棄のルールを持っているメーカーはこの世耕プランが開始された事で今まで通り着実に実施してもらう、今までルールを持っていなかったメーカーはこの世耕プランを機会に協議の上でルールを作成してもらう。

 

Q、自動車業界としては発表後の7/24から全てのサプライチェーンが一斉にスタートさせるのか、自動車メーカーに個別に説明を設けて、そこから順次スタートさせるのか?

A、(オオタ氏回答)平成19年に自動車ガイドラインを作成した時から金型の管理をきちんとやりましょうという事でいろいろガイドラインは作ってきたが、それを各社で進めているところは進めていると思うが、これまであまり管理を考えてこなかった会社は、一般社団法人日本自動車部品工業会などが作成を行っているマニュアルを待っていればそれを使う事もあり得るが、取引先との二社間で管理方法の協議を開始しておくのが必要。

 

Q、世耕プランは強制力が無いという認識だが、今後のフォローアップを経て改善が進んでいないと判断した場合は強制力を付けるのか?

A、(オオタ氏回答)世耕プランそのものは法律の罰則は無いが、下請法の運用基準で型の無償保管をさせないというのが唯一法律の罰則となる。改善が進んでいないと見えたら、自主行動計画の改訂や世耕プランVer2などで盛り込んで行きたいが、これが罰則に上がるには非常に遠いと思います。前述の内容をやっていく事が先の為。

 

Q、期限の平成30年の3月末というのは、自動車業界のみの話となるのか?

A、(一般財団法人素形材センター・オカモト氏回答)本日説明したアクションプランは自動車業界に限った話となる。このプランを作成したメンバーは一般社団法人日本自動車工業会、一般社団法人日本自動車部品工業会などが集まって行ったので、当然対象は自動車業界となります。自動車業界以外のところであった場合にこの世耕プランは適用出来ないというわけでは無い。

 

Q、Tier1の中には下請法の対象にならない会社もあるが、そこも含めた全体での活動に繋がるのか?

A、(オオタ氏回答)8業種21団体がこの世耕プランを実施していくという事になっています。サプライチェーン全体でこの取組をすすめて行くと考えています。

A、(オカモト氏回答)サプライチェーン全体で良い環境を作っていおうという主旨なので、団体に所属していないに限らず理解をしてもらいたい。

 

Q、実際の商習慣の中では受注者側から発言するのは難しいので、フォローアップ以外で課題の吸い上げや指導は検討されているのか?

A、(オカモト氏回答)その為のこの世耕プランであり、意義があると考えている。このような商習慣は理解しているからこそ、各種団体も参加してもらい作れた事の意義について見てもらいたい。指導という面でいけば、中小企業庁の取組として下請けGメンという制度があり、受注者側で困っているという事であれば「下請け駆け込み寺」という苦情を言える場所があるのでそちらを活用して欲しい

A、(オオタ氏回答)受注者側から言い難いというのは研究会の中でも挙がっており、重々承知していたので言いやすい環境を作るというのがこの世耕プランだったと考えている。逆に発注者側の自動車メーカーからは、誤った廃棄が発生しないように留意してもらいたく、資料の9ページ目にあるような共通化の対象となっていないか確認するというのを設けてある。

 

Q、研究会の中で自動車メーカーの反応はどのようだったか?

A、(オカモト氏回答)積極的に前向きに議論に参加してもらった。上記のような共通化部品の件が顕著な例で誤廃棄を防止するように文言に加えて欲しいと意見が出た。

 

Q、罰則については無償保管の一例のみであるが、逆の観点で表彰するような制度(厚労省の働き方改革表彰のような)は考えているのか?

A、(中小企業庁・取引課・アオヤマ氏)実は私達の室内ベースではそういった制度を設けようかという話は出ているが、まだ現時点では難しいがご提案として検討させて頂きます。

 

まとめ

質疑応答を含めて作成した研究会メンバーの考え方を見ると、結局のところガイドライン(守るのが好ましいというルール)なので、型管理に悩んでいる会社への特効薬には成り得ないと思いました。

だからと言って、全く無価値だというわけでもなく、このような指標が出てきてやらないといけない!や、プランに則って話し合いを行える動機づけにもなるので、まずは7/24に公表され自動車メーカーなどは動きを取っていると思うので、その効果の程度が期待されますね。

ワーキンググループも「作りました、はい終わり」というわけでは無いだろうし、アクションプランの説明をメインでしていたオカモト氏から研究会の中での雰囲気紹介でも「(このアクションプランの目的は)もう一にも二にも要らない型は捨てようじゃないかというのが研究会の雰囲気でした。」という事なので、願わくば「要らない型」は廃棄させて頂きたいなという感じです。

官側のフォローアップと見直しのVer2などで本来の主旨「経済の好循環」に繋がるように舵取りをして頂き、民側の一部では極々微力ですが、フジゴセイキとしてもこの世耕プランを遵守していきたいと思います。

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